コメンテーターと代理人

一般的な「弁護士のイメージ」というと、ワイドショーに出演しているコメンテーターとしてのイメージではないでしょうか。だからなのか、ほとんどのお客様は、ワイドショーにおける司会のように、自分の状況を説明して、それに対する正解というかコメントを求められる事が多いです。

でも、本当の弁護士の仕事は、「代理人」な部分なのです。困っているお客様の味方になって、お客様に代わって物事を進める事が、主要な仕事でもあるんですね。例えば、離婚したいけど、相手側がそれに応じないと言う場合、弁護士は貴方に代わって交渉するわけですが、ここで大切なのは、どちらが法的に正しい事を言っているかを判定する立場ではなく、貴方の希望する方向に持って行ったり、相手方の示す条件が、貴方に不利かどうかを判定し、不利であれば拒否する役割であると言う事です。

つまり、コメンテーターとして、一般的な質問に答える内容と、貴方の代理人として相手方と話す場合の内容は異なるのです。ですから「代理人として、相手方とこういう方向で交渉して欲しい」など、最初に意思を示していただければ、お見積もりもすぐに出せるのになぁと考えたりしますが、そういう事が分からないからご相談される方もいらっしゃるので、そこはわたしの独り言です。

最後に、経験上、離婚は弁護士を使って交渉された方が良いと思います。
本人同士でまともな交渉ができる状態であれば、離婚を回避することもできるでしょうし、弁護士無しでの「双方の合意」で決められた取り決めというのは、「法実務的に見ると、どちらかに圧倒的に不利なケース」というのがみられます。
そのようなケースで、損する側にならないためにも、弁護士を入れた方が良いです。なお、弁護士費用は、一見高く感じられるかもしれません。ただ、不利な離婚をしてしまった場合の損失は、それどころの金額ではありませんし、裏側の話としては、弁護士費用はその案件に必要な事務作業量に比例しているものでなので、協議離婚の場合は、それほど高額にならない事が多いと思います。

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