今日は、フジテレビの「アンビリバボー」で放送された、元監察医の上野正彦さんが鑑定された事件のお話をしようと思います。
この事件は、とある老夫婦がお風呂でほぼ同時に死亡(病死)されたのですが、どちらが先に亡くなったかが争われました。というのも、どちらが先に亡くなられたかで、相続人が受け取れる相続財産が変わるからです。
この事件での相続人は、資産家のお祖母様の甥姪と、義理の孫(=夫のお孫さん)です。
もしお祖母様が先に亡くなられている場合、甥姪は4分の1、義理のお孫さんは4分の3を受け取れます。その逆でご主人が先に亡くなられている場合は、全て甥姪が相続することになります。
甥姪にしてみれば、叔母さんの財産を、ご結婚されたご主人が相続するのはまだしも、見ず知らずの義理の孫が75%も持ってゆく事が許せなかったのでしょう。裁判で争われることになりました。
法医学的には、お祖母様が先に亡くなられたとの事でしたが、裁判所の判断は、同時死亡ということになりました。同時死亡の法定相続の場合、甥姪が100%相続する事になりますが、この案件では結局和解されたそうです。
弁護士が作る遺言書と、自分で作る遺言書で一番異なってくるのは、このようなすでに相続人が死亡しているケースを想定して作られているかどうかでしょう。